『スーパーフード』って言葉、最近よく耳にしますよね。健康志向を意識した雑誌やテレビ番組で取り上げられていたり、『スーパーフード』を使ったサプリやスムージーなどもネットショップや店頭で見かけます。でも、一言で『スーパーフード』といっても色々な種類や効果があるみたいだし、どれが自分に合っているのか分からない方もいるのでは。ここでは、私が個人的にオススメするスーパーフード8種の効果効能と、それぞれを簡単に普段の食生活に取り入れる方法を紹介したいと思います。
1. スーパーフードって何?
1.1 定義
まず、スーパーフードとは何のことをいうのでしょうか?
実は、世界共通の正式な定義はありません。
日本スーパーフード協会のホームページでは、以下の通り説明されています。
スーパーフードとは、はっきりと特定の食品を定義したものではなく「一般の食品よりビタミン、ミネラル、クロロフィル、アミノ酸といった必須栄養素や健康成分を多く含む、おもに植物由来の食品」という大前提のもと、提唱者によって異なる食品があげられています。当協会では主に以下の条件をスーパーフードの基準としています。
スーパーフードの定義
・栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
・一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。
また、インターナショナルスーパーフード協会のホームページでは
一食分あたりにより多くの栄養価を含むアクティブな抗酸化物質を多く含む身体にクリーンなエネルギー源である
と明記しています。
つまり、スーパーフードを簡単に言うと、健康に良い栄養素がたくさん含まれる食べ物、ということになります。
1.2 種類も色々
はっきりとした定義がないということからも想像出来ますが、世間でスーパーフードと呼ばれる食品の数はとっても多いんです。その数、なんと100を超えるほど…!
海外のヘルスコンシャスな人にはよく知られるサイト Food Matters によると、スーパーフードは大きく5つの種類に分けられます。(Food Matters は、慢性疲労症候群に苦しんだ父親を野菜中心の食事で健康に戻したオーストラリアの夫婦が始めたサイトです。もちろん全て英語ですが情報量が多くてとってもオススメ!)
- 緑色のもの(葉野菜やスピルリナなど)
- 果物やナッツ
- 蜂関係(ローヤルゼリーやプロポリス)
- 海藻類
- ハーブ
こうして見ると、たしかに昔から健康的だと言われている食品はこの5つのカテゴリーに分けられる気がしますね。
2. どんな効果効能があるの?
種類もたくさんあるスーパーフードには健康面での効果効能も色々あるとされていますが、やっぱり取り入れるからには自分の目的に合ったものがいいですね。
2.1 栄養バランスを整える
スーパーフードの一番の強みといったらこれではないでしょうか。スーパーフードには、ビタミンやミネラル、必須アミノ酸、必須脂肪酸や食物繊維など、体の必要な栄養素が豊富に含まれています。普段忙しい生活をしていると、食事のバランスにどんなに気を使っても、どうしても偏ってしまいがち。私みたいな家事が苦手な面倒くさがり屋は特にそうで、気に入ってる食材でいつも簡単な料理になってしまいます…。でも、そんな普段の食事に、栄養価の優れているスーパーフードを取り入れることで、足りていない栄養素を少しは補えます。もちろん、だからといってそればかり食べるのも逆に栄養バランスが崩れそうですが、普段の食生活にスーパーフードを適度に加えることで栄養のアンバランスを整えるのはグッドアイデアではないでしょうか。
2.2 美容・アンチエイジング
アンチエイジングとは「抗老化」や「抗加齢」のことで、つまり体の老化を防いだり遅らせることです。体の「酸化」によって起こる老化は、肌のシミやくすみ・白髪などわかりやすい症状もあれば、生活習慣病などの重い病気を引き起こすことも。なので、「抗酸化作用」のある食品を取り入れて体の酸化・老化を防ぐことが美容と健康につながります。多くのスーパーフードには、赤ワインに含まれることで一時話題になった「ポリフェノール」を含む、抗酸化作用の強い「フィトケミカル」がたくさん含まれています。
2.3 ダイエット
ダイエット効果を期待してスーパーフードに興味を持つ方は多いと思います!スーパーフードには腸内環境を整える食物繊維の多いものや、血行の促進や脂肪の代謝を高めるビタミン類が多く含まれます。食事制限のダイエットをすると栄養が偏ってしまいがちですが、スーパーフードを上手に取り入れることで健康的に減量できたら最高ですね!
3. 手軽に取り入れられる代表的スーパーフード8種
それでは、数多くあるスーパーフードの中から、私が普段実際に食べているオススメのものを紹介します!面倒くさがり屋の私でも取り入れられているので簡単ですよ。
亜麻仁油 (フラックスシードオイル) | 特徴 | 黄色・うっすら茶色で少し香ばしい味。 |
成分 | ポリフェノールのリグナン(抗酸化作用、抗炎症作用)、体内で合成できない必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)(悪玉コレステロール低下、炎症抑制) | |
食べ方 | α-リノレン酸は熱に弱いので非加熱のままサラダやスープにかけて。 | |
アーモンド | 特徴 | 茶色く、薄皮の付いた木の実。 |
成分 | ビタミンE(抗酸化作用)、体内で合成できないたんぱく質の必須アミノ酸(エネルギー源)、不飽和脂肪酸(太りにくい、悪玉コレステロール低下) | |
食べ方 | 生のものをオヤツ代わりに。ペースト状のものをスムージーにいれるのも美味しいです。 | |
カカオパウダー | 特徴 | 茶色のパウダー。見た目はココアだけど苦い! |
成分 | ポリフェノール(抗酸化作用、血圧低下)、テオブロミン(苦味成分。集中力を高める、リラックス効果)、ビタミン・鉄・カルシウムなどミネラル豊富(健康維持、美容) | |
食べ方 | バナナと豆乳と一緒にスムージーを作るとめっちゃ美味しいチョコ味になります! | |
キヌア | 特徴 | 粒状の穀物に似た擬穀物、グルテンフリー。 |
成分 | たんぱく質(エネルギー源)、鉄分やカルシウムなどミネラル豊富(健康維持、美容) | |
食べ方 | ご飯と一緒でも単独で炊いてもOK。ココナッツミルクとスパイスで調理したものをサラダのトッピングなどにしても美味しい。 | |
ココナッツオイル | 特徴 | 白っぽく、溶けると透明。 |
成分 | 中鎖脂肪酸(代謝が早く、体内に蓄積された脂肪を使いながらエネルギーに転換される) | |
食べ方 | 炒め物をするときや、お菓子作りにも。ココナッツの香りのあるものと無いものがあるので好みで選べる。 | |
チアシード | 特徴 | ゴマのような見た目、メキシコ原産のシソ科の植物の種子。水に浸すと約10倍に膨らみジェル状になる。 |
成分 | 食物繊維(食欲抑制、腸内環境改善)、体内で合成できない必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸(悪玉コレステロール低下、炎症抑制) | |
食べ方 | ジュースやスムージーに足すと腹持ちが良い。水に浸してヴィーガンエッグとしてお菓子づくりにも。 | |
ブルーベリー | 特徴 | おなじみのダークブルーの可愛い果物。 |
成分 | ポリフェノールのアントシアニン(色素成分。抗酸化作用、眼の機能向上)、ビタミンE(抗酸化作用)、食物繊維(腸内環境改善) | |
食べ方 | ジュースやスムージー、お菓子作りに。冷凍のものは栄養価が特に高いです! | |
ヘンプシード | 特徴 | 殻をむいた生の麻の実。うっすら緑色の白。 |
成分 | 体内で合成できないたんぱく質の必須アミノ酸全9種類(エネルギー源)、体内で合成できない必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)(悪玉コレステロール低下、炎症抑制)、ミネラル豊富(健康維持、美容) | |
食べ方 | 豆乳ベースのスムージーに入れると味がうまくブレンドされる。サラダのトッピングとしてそのままかけるのもOK。 |
4. 注意点
「体に良いことたくさん!」なイメージのスーパーフードですが、注意する点もあります。
4.1 体に合うものは人それぞれ
何事にも言えることですが、体に合うものは人それぞれ違います。色々な体質や味覚がありますし、体調を左右する生活習慣ももちろん十人十色。ある人にはとても効果的なスーパーフードが、必ずしも自分にも合うとは限りません。食生活に取り入れてみて、少しでも合わないようならばすぐにやめましょう。
私自身、火を通していないココナッツミルクは食べるとお腹が痛くなります…(汗)でもなぜか、カレーやキヌアなどと調理すれば問題なく美味しく食べられます。自分の体に無理の無いように取り入れましょう。
4.2 妊娠中や投薬中の人は特に注意!
以前から積極的に取り入れていたスーパーフードでも、妊娠したり病気で薬を飲み始めた時には特に注意が必要です。妊娠すると体のホルモンが一気に変化し、必ず必要な栄養素や、逆に摂りすぎてはいけないものも出てきます。投薬中も同じです。私は皮膚筋炎と間質性肺炎の薬を飲んでいますが、「スーパーフードを食事の一部として食べる分には問題無いだろう」と思っているので、特に主治医には細かくは説明していません。ですが、私が普段どういった食事をとっているのかなどをすでにご理解いただいているからです。また、スーパーフードを含む(含まない場合も)サプリをとる時には、必ずサプリをボトルごと持って行って確認してもらっています。健康になるためにスーパーフードやサプリを取り入れたつもりが、逆に体調を悪くしてしまったら元も子もないですからね。
4.3 スーパーフードだけに頼るのはダメ
スーパーフードに関して私が何よりも注意が必要だと思っているのは、「スーパーフードばかりに頼るのはダメ!」ということです。何事もバランスが大切ですし、良いものだってやりすぎは逆効果。『スーパーフード』という名前から「とりあえずスーパーフードを主食にしておけば健康的」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、スーパーフードだからといって必ずしも「スーパー健康的」とは限りません。
というのも、最近ではマーケティングや話題性のためだけに、様々な商品にスーパーフードという言葉が使われることが多いからです。実際、英語版Wikipedia では、「スーパーフード」はマーケティングのための言葉である、とはっきり記載されています。また、EU内においては、説得力のある科学的研究に基づいた説明のない場合以外は、商品をスーパーフードとして販売することが2007年から禁じられています。
私はこれらのことをもってしても、スーパーフードとして知られる野菜や果物は栄養価が高くて体に良いものなんだと信じています。ですが、いくらビタビン・ミネラル・必須アミノ酸・必須脂肪酸などといった栄養素を豊富に含んでいても、これらは「体の調子を整える役割をするもの」だということは忘れてはいけません。それよりももっと根本的な新陳代謝や生命維持に必要な重要な栄養素は、炭水化物・たんぱく質・脂質の三大栄養素です。これらをスーパーフードのみで補うことは難しく、コストもかかりますし、効率よくありません。
5. 注意点を踏まえた上で、バランスのとれた食生活を
注意点が長くなってしまいましたが、食べるものに関しては細かくなってOK、というか細かくなるべし!と思います。特に、私のように難病を患っている方は普段から注意して体調管理することが大切です。スーパーフードも、注意点を踏まえた上で普段の食生活に少しずつプラスしてみてください。私は、今回紹介した8種類のスーパーフードが身体面でも精神面でも健康的な生活を目指すのに役立っていると感じています。みなさんもお気に入りのスーパーフードが見つかりますように!
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